残業(時間外労働)

事業場外労働のみなし労働時間制 【初級】

2016/09/02

営業活動や出張などのように外出して行う業務は、指揮命令が及ばないことが多く、そのような場合には、労働時間が算定し難いとして、所定労働時間、労働をしたものとしてみなすことができます。
事業場外労働で所定労働時間を越えて労働することが通常必要になる場合は、当該業務の遂行に通常必要となる時間または、労使協定で定めた時間労働したものとしてみなされます。事業場とは、会社や工場、店舗など通常、従業員が働いている場所です。そして事業場外とは、それらではなく、その外で働く場合のことをいいます。
実際は所定労働時間を越えて労働する場合が多いにもかかわらず、この制度を不当な使い方をし、通常の労働時間を労働をしたとして扱っている場合がよくあるのです。
最近、ほとんどの働く人たちは携帯電話を持っていますから、労働時間が算定し難いということは、なくなってきています。特に仕事の状況や終業の報告をするような場合は、労働時間を算定し難い場合には当てはまりません。

まとめ
対象 労働時間の全部または一部を事業場外で働いた場合
・労働時間の具体的な指揮監督が及ばない
・労働時間が算定し難い

対象外 使用者の指揮監督が及んでいる場合
・従事者の中に労働時間を管理するものがいる場合
・事業場外で業務に従事するものが、携帯電話等でいつでも連絡ができる状態であり、臨時使用者の指示を受けながら労働をしている場合
・業務の具体的指示を受けており、帰社する場合

第三十八条の二  労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。
 前項ただし書の場合において、当該業務に関し、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間を同項ただし書の当該業務の遂行に通常必要とされる時間とする。
 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。

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