その他 働き方改革

【よむらの労働関連情報 2017.11.20 No.12】

2018/05/02

□□❒=【よむらの労働関連情報 2017.11.20 No.12】=□□❒
「よむらの労働関連情報」です。ご覧頂ければ幸いです。(月1、2回程度配信しています。)
下記の記事関してご意見のある方、その他のご意見などはメールで連絡願います。
また、お知り合いの方などにもよろしければ転送して頂ければ幸いです。
以下の▲は私の意見です。
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【注目のニュース】

10/30 裁判IT化に向け初会合 検討会、制度設計議論
http://www.sankei.com/affairs/news/171030/afr1710300018-n1.html
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/saiban/index.html
開催趣旨
「未来投資戦略 2017」(平成 29 年6月9日閣議決定)において、「迅速かつ効率的な裁判の実現を図るため、諸外国の状況も踏まえ、裁判における手続保障や情報セキュリティ面を含む総合的な観点から、関係機関等の協力を得て利用者目線で裁判に係る手続等の IT 化を推進する方策について速やかに検討し、本年度中に結論を得る。」とされた。これを受け、裁判手続等の IT 化検討会(「以下「検討会」という。)を開催
▲資料が提供されています。「日本の司法手続というのは余りにも書面主義・対面主義に偏っているのではないか。これだけインターネットが発達している時代に、本当に今までどおりの書面主義・対面主義でいいのか。」というような意見が経済界で出ているようです。人柄のような要素が強いもの(労働裁判、離婚裁判、刑事事件)は向かないと思いますが。CLOUD SIGNというような会社もあるようです。
https://www.cloudsign.jp/

10/31 連合総研 勤労者の仕事と暮らしについてのアンケートの公表
残業時間の過少申告は7% 9月「上司の指示」20%  → 産経新聞の見出し
http://www.rengo-soken.or.jp/pdf/working201710_3.pdf
▲産経新聞の過少申告が7%という見出しについて、この7%は少ないのではないかと私に思わせました。記事には「9月に残業時間を実際より短く申告した会社員は全体の約7%だった」と書いてあったのです。全体という表現は、調査に参加した 会社員2,000名に対する割合のようですが、
大変少ないように思えるのですが?

11/2 公的年金の積立金運用(GPIF)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/zaisei/tsumitate/index.html
2015年度のGPIFの損失は5.3兆円ということで国会でも問題となりましたが、2016年度は7.9兆円の収益,そして2017年度は第2四半期までで9.6兆の収益を上げているようです。長期で見ないとダメだということがわかります。

11/8企業行動憲章の改定 日本経済団体連合会
http://www.keidanren.or.jp/policy/cgcb/charter2017.html

11/10 「労働条件(RJ)パトロール!」が提供開始されます 厚労省
~労働関係法令学習用スマートフォンアプリ~
http://www.check-roudou.mhlw.go.jp/

【政府・行政・厚生労働省】

11/7 第3回「新たな支え合い・分かち合いの仕組みの構築に向けた研究会」の開催
具体的な資料や議事録た提供されていないないが、国民の所得や生活の状況等に関する動向について議論がなされている。この研究会の研究課題としては、「国民の所得や生活の状況の実態」「成長と分配の関係」「 社会保障等の機能の検証、今後の在り方」となっているが、社会保障ではどこまでを公的な社会保障で賄っていくのか、地域の中の助け合いでどこまで対応していくのか、といった棲み分けを考えていくとなっている。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syakaihosyou.html?tid=458538
▲この研究会が今年の7月に第1回が開催されましたが情報得ていませんでした。どうも社会保障に関して、部分的に地域の助け合いやボランティアに委ねるというような方向性を定めていくようです。助け合いやボランティアの強制にならないように望みたいものです。

11/6,7 労働政策審議会 労働条件分科会の議事録が遅れて公開
労働条件分科会では、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」が議論されていました。その内容は時間外労働の上限規制、企画業務型裁量労働制、高度プロフェッショナル制度(年収1075万以上 残業代ゼロ)、フレックスタイム制等の改正ですが、9/4,9/8,9/15の分科会の議事録が約2か月遅れで公開されました。「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」として厚生労働大臣に概ね妥当として答申され、法案として国会で審議される予定です。
▲労働時間の上限規制と高度プロフェッショナル制度に目が行くところですが、企画業務型裁量労働制について緩和され、企画提案型の営業マンに対して裁量労働制が適用となる予定です。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-rousei.html?tid=126969

11/7現在 公益事業に関する争議行為の予告  厚労省
「公益事業([1]運輸事業、[2]郵便、信書便又は電気通信の事業、[3]水道、電気又はガスの供給の事業、[4]医療又は公衆衛生の事業)において、労働組合・企業が複数の都道府県にまたがるストライキや事業所閉鎖などの争議行為を行う場合は、労働関係調整法第37条に基づき、争議行為予告を中央労働委員会と厚生労働大臣に、少なくとも10日前までに通知しなければなりません。」
▲以前の同じ組合だった人たちの労働組合も期末一時金闘争をスト権を確立して闘っていいるようです。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouseisaku/sougikoui/index.html

11/7 第3回 新たな支え合い・分かち合いの仕組みの構築に向けた研究会 資料公開
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syakaihosyou.html?tid=458538
▲「社会保障の守備範囲をどこまでとするのかを念頭に置く必要がある。どこまでを公的な社会保障で賄っていくのか、地域の中の助け合いでどこまで対応していくのか、といった棲み分けを考えて行く必要があるのではないか」と社会保障の一部を地域の助けあいに委ねていこうとしています。

11/10 労働政策審議会 (職業安定分科会) 公開
9/1と9/14の議事録が公開されました。既に法律案要綱が決定しています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000184236.html
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000184230.html

11/14 厚生労働大臣記者会見 新国立競技場 過労死
http://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000184667.html
▲「塩崎前大臣が7月末に中の800社に対して実態調査をやっていくということ」を述べたようですが、加藤大臣は、「直接承知をしていないところであります」と述べています。記者は実態調査がどうなっているか、もう少しツッコミが必要ではないでしょうか。新国立競技場は、納期が短く、建設労働者が少ない中であまりツッコむと納期が遅れるということになるでしょう。ここで、国の発注であり、納期が遅れてでも労働者のことを第一に考えてほしいものです。

【不当労働行為】

10/25 大乗淑徳学園不当労働行為再審査事件
http://www.mhlw.go.jp/churoi/houdou/futou/dl/shiryou-29-1025-1.pdf
命令のポイント
~ 団体交渉の開催条件に固執して団体交渉を開催しなかったことが、不当労働行為に当たる
とされた事案~
法人は、交渉場所について組合の主張する条件を採れない合理的な理由を具体的に説明する
ことなく、学外に限るとの自らの条件に固執して団体交渉を開催しなかったといわざるを得ず、
このような法人の対応は、労組法第7条第2号の不当労働行為に当たる。
再審査申立人:学校法人大乗淑徳学園 教職員587名
再審査被申立人:淑徳大学教職員組合 組合員3名

10/31 タカハシスチール不当労働行為再審査事件
http://www.mhlw.go.jp/churoi/houdou/futou/dl/shiryou-29-1031-1.pdf
命令のポイント
~ 団体交渉における会社の対応は不誠実であったとはいえず、不当労働行為に当たらないと
した事案 ~
会社は、3回の団体交渉において、組合の要求や質問に対して誠実に対応していたことが認
められる。なお、組合は、会社が事実と異なる内容を述べて不誠実な対応をしたと主張するが、
会社が敢えて虚偽の発言をして不誠実な対応をしたということはできない。したがって、3回
の団体交渉における会社の対応は、労組法第7条第2号の不当労働行為に当たらない。
再審査申立人:管理職ユニオン・関西
再審査被申立人:タカハシスチール株式会社

11/18 不当労働行為 府労委認定 部長職を運転専従、摂津の運送会社 /大阪
https://mainichi.jp/articles/20171118/ddl/k27/040/375000c

【残業・過労死・労災ニュース】

11/2 育児「配慮不十分」と和解 国、気象台職員に11万円
上司が育児時間の取得を「残業ができず、周りも迷惑する」「子どもの迎えは夫にやってもらえ」と認めず、同年は計3時間の取得にとどまった。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23029020S7A101C1AC1000/?n_cid=NMAIL005
11/7 勤務医、2千時間超の残業 香川の県立病院、医師不足で
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171107-00000050-asahi-soci

11/6 現職教員らが緊急提言、長時間労働の改善目指し訴え
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3204381.html

11/6 20歳男性自殺「過労パワハラで鬱」母が労災申請
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201711/0010708416.shtml
http://www.sankei.com/west/news/171106/wst1711060052-n1.html
▲11/17に神戸で過労死等防止対策推進シンポジウムが開催され、この男性の母親が気持ちを
込めて、「このようなことが起こらないように●」

11/7 労働基準法の適用外 厚労省で続く徹夜勤務
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23135300W7A101C1000000/?n_cid=NMAIL007

11/13香川県立病院で2医師が残業時間が2000時間を超えていた問題
知事の見解「患者さんが来れば診療しなければならないといういわゆる応召義務や一人の患者を一人の医師が診るという主治医制がある中で、時間外勤務を劇的に削減するということは、なかなか難しい」
http://www.pref.kagawa.lg.jp/content/chijipage/chijiteirei/wr4whz171113170317.shtml
▲特別条項付き三六協定を結んでいたようであるが、その三六協定にも2医師は違反していたようです。その違反部分はすぐに是正することが必要です。病院長を刑事告訴しなければ正されないのでしょうか?
特別条項付き三六協定は以下のものも参考してください。
http://yomura.sakura.ne.jp/2017/04/27/agreement_with_the_special_clause/

【知らなかった言葉】
◯やりがい搾取
企業風土が、従業員に“やりがい”報酬を意識させて、金銭報酬を抑制する搾取構造になっていること。賃金抑制が常態化したり、無償の長時間労働が奨励されたりすること。(はてなキーワード)
▲先日、30代、40代の方々と軽くビールを飲んでいる時、教師の長時間労働は「やりがい搾取」という言葉が出てきました。やりがいで長時間労働をするということです。(幼稚園や保育所の先生が、遅くまであるいは持ち帰って賃金が出ない中で仕事をやっているとも聞きます。)言葉がピタット当てはまりうまい言い方と関心したのですが、この1、2年前から言われているということのようです。
調べてみると東京大学の本田由紀さんが言い始めた言葉のようです。もっと驚いたことは、昨年のテレビドラマ「逃げるが恥だが役に立つ」(新垣 結衣主演)で森山みくり(新垣)が商店街のイベントをボランティアで手伝ってほしいと言われるのだそうです。みくりは、「人の善意につけ込んで労働力をただで使おうとする、それは搾取です」、「例えば友達から勉強になるからこれは貴方のためだからなどと言って正当な賃金を払わない、このような『やりがい搾取』を見逃してはいけません」と述べたのです。ちょいちょい見ていたのですが、これは見ていなかったです。(後で動画で見ました)

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★配信元
オフィス むらかみ オフィスむらかみの労働相談 責任者 村上洋一
メールアドレス  office.murasan@gmail.com
ホームページ   http://yomura.sakura.ne.jp
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