2017「よむらの労働関連情報」で取り上げたことば
2018/01/23
◯エコチェンバー現象
「共鳴する部屋」と訳され、複数人から構成される小さな輪(SNS)の中において、同意見ばかり飛び交う環境に身をおくと、大きく偏った考えを助長してしまったり、偏った、人と人との繋がりが確立されてしまう場合があるという現象
◯第4次産業革命(Society5.0)
ドイツ政府が推進する製造業の高度化を目指す戦略的プロジェクトであり、情報技術を駆使した製造業の革新の事を差し、全ての機器がインターネットによってつながり、またビッグデータを駆使しながら、機械同士が連携して動く事はもとより、機械と人とが連携して動くことにより、製造現場が最適化されるという産業の革命
◯Society5.0
超スマート社会(およびそれを目指す取り組み全体)の名称
「必要なもの・サービスを,必要な人に,必要な時に,必要なだけ提供し,社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき,あらゆる人が質の高いサービスを受けられ,年齢,性別,地域,言語といった様々な違いを乗り越え,活き活きと快適に暮らすことのできる社会」(▲共産主義のような社会か?) (第5期科学技術基本計画(平成28~平成32年度))
http://www.orsj.or.jp/archive2/or61-9/or61_9_568.pdf
http://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/5gaiyo.pdf
・第4次産業革命とSociety5.0の関係について
「Society5.0の実現に向けて、第4次産業革命の目覚ましい技術革新の成果を生産現場や実際の生活等に取り入れることが重要」(「第4次産業革命(Society5.0)・イノベーション」会合で事務局次長が述べています)
すなわち、第4次産業革命の目覚ましい技術革新の成果を生産現場や実際の生活に取り入れることによりSociety5.0(将来目指すべき社会)を目指すと言っているのです。
○シェアリングエコノミー
個人等が保有する活用可能な資産等(スキルや時間等の無形のものを含む。)を、インターネット上のマッチングプラットフォームを介して他の個人等も利用可能とする経済活性化活動をいう。
シェアリングエコノミーはITの普及・高度化に伴い、空き部屋、会議室、駐車スペースや衣服のシェア、家事代行、育児代行、イラスト作成のマッチングなど多様な分野で登場しつつあり、一億総活躍社会の実現や地方創生の実現など、超少子高齢化社会を迎える我が国の諸課題の解決に資する可能性があります。(シェアリングエコノミー促進室より)
https://www.cio.go.jp/share-eco-center
・シェアリングエコノミー検討会議中間報告
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/shiearingu/chuukanhoukokusho.pdf
◯ムーアの法則
半導体の集積密度は2年で倍増し、チップは処理能力が2倍となるという法則
しかし、回路幅に限界が来てムーアの法則が実現できなくなると言われているようです。
2021年までにトランジスターをこれ以上小さくすることが経済的に非効率になると予測されています(米国半導体工業会(SIA)が発表したレポート「国際半導体技術ロードマップ」(ITRS)による)。
https://japan.zdnet.com/article/35086658/
◯ダイバーシティー(diversity)
1 多様性。相違点。
2 企業で、人種・国籍・性・年齢を問わずに人材を活用すること。こうすることで、ビジネス環境の変化に柔軟、迅速に対応できると考えられている。
3 携帯電話などで、複数のアンテナで電波を受信し、受信状況の良い方を使う技術。
(デジタル大辞泉より)
▲多様性はわかりますが、ダイバシティーは小池知事がテレビで言っているのを聞き知りました。2の意味では、ビジネスが前提ですが、1の意味で「多様性を認める社会」と意味付けようと思います。
◯イクボス
「イクボス」とは、男性の従業員や部下の育児参加に理解のある経営者や上司のことです。子育てに積極的に関わる男性をイクメンと呼ぶのに倣い、そのイクメンを職場で支援するために、部下の育児休業取得を促すなど、仕事と育児を両立しやすい環境の整備に努めるリーダーをイクボスと呼びます。
◯ポートフェリオ
聞いたような言葉で、わかったようなわからない言葉です。語源は「紙ばさみ」、持ち運びができるように書類をいれていくものとのことです。クリアファイルのようなものでしょうか。
それが転じて「有価証券一覧表」、「資産一覧表」などの意味に使用するようです。
ちなみに、私は「確定拠出年金(401K等)のポートフェリオ」という文脈で出てきました。この場合は、確定拠出年金の資産一覧表(資産運用の割合)と意味を理解しました。
◯リカレント教育
学び直し教育とか、生涯学習とか言われるもの
経済協力開発機構(OECD)が1970年代に提唱した、生涯学習の制度的形態。回帰教育、循環教育などとも訳される。社会に出てからも学校または教育・訓練機関(NFE:nonformal education)に回帰する(戻ってくる)ことが可能な教育システムのこと。
▲放送大学は、この生涯教育と言われるものではないでしょうか。ただ文系の科目が多く、理科系の科目は少ないように感じられます。
◯SIP(エス・アイ・ピー)
戦略的イノベーション創造プログラム(Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program)
府省の枠や旧来の分野の枠を超えたマネジメントに主導的な役割を果たすことを通じて、科学技術イノベーションを実現するために新たに創設するプログラム
▲政府主導でイノベーションを実現するプログラムのようで、11の課題に本年度は、300億円の予算をとりいろいろな課題について政府主導で研究しえいるのですね。今話題になっている
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/sipkenkyukaihatu11kadai.pdf
◯やりがい搾取
企業風土が、従業員に“やりがい”報酬を意識させて、金銭報酬を抑制する搾取構造になっていること。賃金抑制が常態化したり、無償の長時間労働が奨励されたりすること。(はてなキーワード)
▲先日、30代、40代の方々とビールを飲んでいる時、教師の長時間労働は「やりがい搾取」という言葉が出てきました。やりがいで長時間労働をするということです。(幼稚園や保育所の先生が、遅くまであるいは持ち帰って賃金が出ない中で仕事をやっているとも聞きます。)言葉がピタット当てはまりうまい言い方と関心したのですが、この1、2年前から言われているようです。
調べてみると東京大学の本田由紀さんが言い始めた言葉のようです。もっと驚いたことは、昨年のテレビドラマ「逃げるが恥だが役に立つ」(新垣結衣主演)で森山みくり(新垣)が商店街のイベントをボランティアで手伝ってほしいと言われるのだそうです。みくりは、「人の善意につけ込んで労働力をただで使おうとする、それは搾取です」、「例えば友達から勉強になるからこれは貴方のためだからなどと言って正当な賃金を払わない、このような『やりがい搾取』を見逃してはいけません」と述べたのです。ちょいちょい見ていたのですが、これは見ていなかったです。(後で動画で見ました)
○レジリエンス(弾力、復元力)
「近年は特に『困難な状況にもかかわらず、しなやかに適応して生き延びる力』という心理学的な意味で使われるケースが増えています。」(日本の人事部/人事辞典)
▲何かに対して異議申立を行う場合はいろいろな力が必要ですね。
【財政を判断する為に使用される言葉】
◯プライマリーバランス(基礎的財政収支:PB)
国の財政収支で、国債などの借入金を除いた税収などによる歳入から、国債の元利払い費など、過去の借入金返済に要する経費を除いた歳出を引いたもののこと(デジタル大辞泉)。
簡単に言えば、国の税収等(国債を含まない)から国の政策的支出(国債償還・利払費用を含まない)を引いたものであり、プライマリーバランスが均衡(ゼロ)とは、国の政策的支出が税収等で賄える状態。また、国債発行収入=国債償還費+利払費の状態です。(参考高等学校教科書「現代政治経済」清水書院)
▲政府の財政再建の目標としてプライマリーバランスの黒字化(国の税収等>国の政策的支出の状態)が2020年と言われていましたが、消費税の増収分を財政再建よりも幼児教育の無償化に割り当てるということで、先送りされ時期が不明確な状態です。
【▲久しぶりに聞く言葉】
◯アウフヘーベン(ドイツ語 翻訳「止揚」とか「揚棄」)
もともとは、ヘーゲルの言葉。「あるものごと、ある主張(正)は、必ず自分の中に自分と対立するもの・矛盾するもの(反)を含んでおり、それらが総合・統一されること」(高校教科書『倫理』東京書籍)
▲小池都知事が最近使った言葉であり、記者会見で「アウフヘーベンは辞書で引いてほしい」と言っていました。
豊洲移転は、その反対派や賛成派の対立があるがそれぞれアウフヘーベンしていけばすばらしいものになるということなのでしょう。
「アウフヘーベン」は「止揚」としてマルクスの文章(『経済学・哲学草稿』など)にも出てきます。