行政

労働基準監督署へ訪問する場合は、監督官の話をじっくり聞こう! それから主張しても遅くはありません。

2017/03/25

 労働基準監督署(以下「監督署」)はうまく利用すればこちらの味方となる場合も多いです。
 働くものが一人で監督署を訪問する場合は、ややもすると自分の主張を闇雲にして、気持ちを聞いてもらおうとする場合がありますが、全く効果はありません
 また、労働組合の役員なども交渉の場と間違えて言葉を荒立てて主張しようとする人もいますが、これも逆効果です。こちらが感情的になると監督官も人間ですから、いろんな手立ても教えてくれなくなります。
 私が問題を抱えた人と監督署へ同行訪問する場合、本人から事実を確認しておいて、私が監督官に説明をしてわからないとこだけ、本人に喋ってもらうようにしています。そして淡々と冷静に説明をしていきます。
 私が監督署を訪問する時には、事前に訪問する用件と関連する通達を読んでいきます。そしてポイントを整理して、本人に確認しておきます。監督官とは通達の内容を念頭に話しをするのです。そして話が咬み合わない場合は、その通達を出して話をします。通達に対するこちらの認識と監督官の認識が異なる場合は、監督官の話を質問も交えてじっくり聞きます。団交のような議論は不要であり、認識違いについて、この通達でこちらの主張するようには取れないかと述べる程度にして理由を確認します。
 通達が探せなかった場合は、こちらの要件の概要を話して、監督署の話を聞き、教えてもらうというスタンスで監督官の主張の根拠を確認することにします。すなわち具体的に通達とか判例を確認するのです。監督官は、近時の判例も結構把握しているものです。
 その日に申告をしようと思って行ったとしても、話の流れによっては、こちらが確定した話をせずして、論理を組み直して出直すことにするのです。
 行政は、法律と通達により判断するというシステムになっています。こちらとしては、法律や通達を念頭においた申告や申請、情報提供を行う必要があるのです。
 労災の認定に関して、知らない通達もあるでしょう。当日に申請を決めていても、その通達を教えてもらい再度申請をするというフレキシブルな対応も必要です。

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