三六協定 働き方改革 労働時間 労働組合 残業(時間外労働)

【よむらの労働関連情報 2018.6.25  No.20】

2018/09/08

□□❒=【よむらの労働関連情報 2018.6.25  No.20】=□□❒
「よむらの労働関連情報」です。ご覧頂ければ幸いです。(月1、2回程度配信しています。)
また、お知り合いの方などにもよろしければ転送して頂ければ幸いです。
以下の▲は私の意見です。
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【注目のニュース】

骨太方針2018と未来投資戦略2018で政府が日本をどのように変えようとしているのかがわかります。
■6/15 経済財政諮問会議と未来投資会議の合同会議を開催
・「骨太方針2018」→人づくり革命と生産性革命の具体策と働き方改革の実行・実現
専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材に関する新たな在留資格の創設
財政健全化目標については、2025年度のプライマリーバランスの黒字化を目指すこと
「少子高齢化の克服による持続的な成長経路の実現」
・「未来投資戦略2018」では、「Society 5.0」の具体的な姿、「フラッグシップ・プロジェクト」のデータ基盤や人材育成、大胆な規制改革を進める
▲フラッグシップとは、旗艦のこと。艦隊の司令官が乗って指令・指揮を行う軍艦の意味が転じて多くの同類の物の中で最も重要なもの。最も重要なプロジェクトを5つ掲げています。
政府の体系的な方針で良いのか、働くとくに中小企業で働く人たちの立場から、体系的に社会を考える対案があるのか? 誰と言わず指し示して欲しいのですが。
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2018/0615/agenda.html

■6/15 政府の「経済財政運営と改革の基本方針2018」に対する談話 連合事務局長
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/article_detail.php?id=985
▲連合は「働くことを軸とする安心社会」を目指すといっていますが、具体的に政府が打ち出している方向性に対して、資本主義社会を前提にどのような社会を目指しているのでしょうか?
財政的な視点も必要です。

■6/15「骨太方針2018」と「未来投資戦略2018」に関する経団連中西会長コメント
http://www.keidanren.or.jp/speech/comment/2018/0615.html
▲「経団連のこれまでの主張と一致しており、高く評価したい。」と述べていますが、これで良いのでしょうか?
働く側は、オルタナティブを示す必要があります。しかし働く側にはそのような体制がありません。

【政府・行政・厚生労働省】

●・5/31 第12回過労死等防止対策推進協議会
過労死等の防止のための対策に関する大綱案
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209413.html
森岡孝二名誉教授らが労働組合の重要性を提案しておられます。はたしてどうなったのか?

●6/4 規制改革推進に関する第3次答申
▲政府が規制改革でなにをやろうとしているのかわかります。進捗状況もわかるようです。
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/committee/20180604/agenda.html

●6/4 日本年金機構における業務委託のあり方等に関する調査委員会報告書について
http://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2018/201806/20180604.html

●6/5 第8回経済財政諮問会議
一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを早急に構築するための在留資格の創設 → 「骨太方針2018」に盛り込まれました。
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2018/0605/agenda.html

●6/12 第1回「解雇無効時の金銭救済制度に係る法技術的論点に関する検討会」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=558547
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000210711.docx

●6/12 第2回保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kodomo.html?tid=554389

●6/12 第2回保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kodomo.html?tid=554389

●6/13 第9回人生100年時代構想会議
人づくり革命基本構想を取りまとめを行った。これを骨太方針に取り込み速やかに閣議決定を
したい。今後人生100年時代構想会議を人生100年フォローアップ会議に改組し設置する。(安倍首相)
http://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201806/13jinsei100.html
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/jinsei100nen/dai9/siryou.html

●6/14 平成 29 年「労使間の交渉等に関する実態調査」の結果
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/18-29gaiyou07.pdf
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/18-29gaiyou.html
▲「労使関係についての認識」についてみると、従業員規模が少なくなると不安定ということかと思ってみましたが、従業員規模が300人から499人が安定的との認識が一番高く、また不安定との認識も2番めに少なのです。
なぜなんでしょうか?

●6/20セルフ・キャリアドック導入を支援する拠点を開設
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212450.html
▲企業が従業員が自ら主体的にキャリアを考え構築することを支援する取組をセルフ・キャリアドッグというようです。キャリアコンサルティング(面接)と研修から成り、企業のそのような取組を支援する拠点が東京と大阪に出来たというものです。
中小零細企業では、導入できないのではありませんか?

【不当労働行為】
□中労委 団体交渉申入れが合理的期間内に行われたとは認められないこと等から、会社が団体交渉申入れに応じなかったことには正当な理由があり、不当労働行為に該当しない
http://www.mhlw.go.jp/churoi/houdou/futou/dl/shiryou-30-0529-1.pdf

【労働ニュース】

・広報誌「厚生労働」 6/1発売
我が家はどうなる? これからの地域医療・介護http://www.mhlw.go.jp/houdou_kouhou//magazine/about.html

・6/2 提訴 過重労働で事故 元アルバイト男性、「すき家」を /鳥取
6/1第1回口頭弁論 提訴は4/19
https://mainichi.jp/articles/20180602/ddl/k31/040/566000c

・6/2 賃金格差 項目別に判断 非正規待遇、合理性促す 最高裁
https://mainichi.jp/articles/20180602/ddm/001/040/171000c
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018060100938&g=soc

・6/5「最長124日連続勤務、残業代未払い」 元従業員が札幌のホテル運営会社を告訴 支払いを求め訴訟も
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180605-00010000-doshin-hok

・6/6 働き方改革関連法案
高プロ裁量権は省令で 参院委で厚労相方針
https://mainichi.jp/articles/20180606/ddm/005/010/092000c

・6/6 味の素AGF、再雇用社員を週休3日に 年収3割アップ
https://www.asahi.com/articles/ASL655S01L65ULFA023.html
▲週休3日制(年間休日数は正社員よりも35日多い156日)であり、かつ年収が3割アップ
ということは、どういうことでしょうか?
1日休日が増えるということは、実質給料が5/4倍になり、かつ年収が3割アップなのだから5/4×13/10=1.51であり実質1.5倍になるのでしょうか?
素晴らしいですが、再雇用の時の賃金が最低賃金であったりはしないでしょうか? 実際の賃金について書かれていないから、なんとも言えません。

・6/9 是正勧告
中央病院に 手続きせず協定超え残業 盛岡労基署 /岩手
https://mainichi.jp/articles/20180609/ddl/k03/040/241000c

・6/12 働き方改革関連法案
高プロ削除求め集会 過労死遺族「長時間労働助長」
https://mainichi.jp/articles/20180612/ddm/008/010/123000c

・6/16 2018年度 新入社員の会社生活調査
“副業”ができる制度「利用したい」 ⇒約57%、将来の年金”は「期待できない」 ⇒約62%
http://www.sanno.ac.jp/research/fresh2018.html
▲民間の調査で、新入社員の対象者は従業員が100人以上の企業の人が85%、関東圏で働く人が84%となっておりバランスにかけています。私の視点から言えば、100人以下の企業で働く人が50%近く参加しないとあまり意味がないのですが。

・6/16 浮いた残業代の賞与還元 アルプス電気が正式発表
https://www.asahi.com/articles/ASL6G4RGML6GULFA00W.html
▲「今年3月には労使協定(36協定)を見直し、残業時間の上限を月100時間から80時間に引き下げた」と胸を張っていますが36協定は過労死ラインです。

・6/19 働き方改革 「働き方」より「働かせ方」? 県設置の会議 委員は労働側2経営側9、偏った構成 議論深まらず /大分
https://mainichi.jp/articles/20180619/ddl/k44/040/232000c

・6/19働き方改革
県が骨子案 風通しの良い職場を パソコン起動時間基に勤務把握、産業医による保健指導対象拡大 /新潟
https://mainichi.jp/articles/20180619/ddl/k15/010/180000c
▲関西では寝屋川市も導入しました。

・6/20労働局調査 問題疑われる155事業所調査 4割が違法時間外労働 「過労死ライン」超えも /山形
https://mainichi.jp/articles/20180620/ddl/k06/040/103000c

・6/22 兼業者の労災給付、厚労省が議論開始
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32119120S8A620C1EA4000/

【その他】

以前の組合で一緒であった阪急バスの少数組合の皆さんが、会社の変形労働時間制並びに未払い賃金について大阪地裁に提訴した事件につき、5月31日に阪急バスが主張していた変形労働時間制が、無効であるとの判決が出ました。おめでとうございます。法的に間違ったことは是正させるという、少数組合のすばらしい取組です。
私も少しですが変形労働時間制について相談を受けていました。

【知らなかった言葉】 EBPM(イービーピーエム)

EBPM(エビデンス・ベースド・ポリシー・メイキング)、すなわち証拠に基づく政策立案ということのようです。
証拠すなわち統計により政策立案していくということで、その研究会が政府によりEBPM推進委員会というものが出来ています。https://www.gyoukaku.go.jp/ebpm/index.html
裁量労働制法案における労働時間のデータのずさんな実態など、政策が先ではなく、エビデンス(証拠)から政策を決定していくことが必要ではないでしょうか。だた政治という意思決定にどのように関わるのか、エビデンスが正しいのかの吟味も難しいかもしれません。統計データの政治性ということが言われて久しいですが、はたしてそのような言葉がなくなるのでしょうか!?
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